キーエンス解剖~謎の高年収企業の実態に迫る~

平均年収が2,183万円の謎の最強企業キーエンスの秘密に迫った本

キーエンス解剖のご紹介です

 

キーエンスとは?

1974年設立の大阪にあるファクトリー・オートメーション用センサーや測定器、画像処理機器などを製造している会社とにかく平均年収が高いことで有名。

ただし、B to Bメーカーの為、一般消費者に馴染みがなく謎につつまれた印象を持つ

時価総額も日本ではトヨタに次ぐ2位の15兆1761億円を誇るモンスター企業

 

Whyキーエンス解剖?

キーエンス解剖は日経ビジネスの西岡杏さんが書かれた本です(1991年生まれと若いです)

キーエンスは商品の付加価値を高めたり、営業のノウハウが凄いと言われています

そんなキーエンスのノウハウは他のどの会社でも間違いなく役に立つので、この本を読んで皆さんの仕事に活かしてください!

 

要約

1.顧客を驚かせる会社

 ・まるで故障を知っていたかのようなタイミングで商品の提案が来る

 ・他社では回答に一週間程度かかるような見積もりもキーエンスは即日回答

 ・製品の欠陥判別を悩み相談した。他社なら商品の判別精度の高さにこだわってくるが、キーエンスは使いやすさも重視してくれた

 

2.営業部隊が「先回り」できるわけ

 ・キーエンスの営業は3年で一人前になる。よその会社なら10年程度かかる

 ・商談のレベルはロープレと呼ばれる二人一組で実施する商談シミュレーションであげる。10~15分ほど、毎日繰り返すのがキーエンス流。

 ・週2日ほどは社内日で週3日ほどは外出日。社内日は電話、メール、アポ取り等。外出日は1日5~10件のアポを詰め込むのが当たり前。

 ・キーエンスの手法はWEBマーケティングに近い。SFAで綿密に行動を記録し、データを分析している。各社員の商談数や電話の発信数などのKPIが常に更新され、各社員に共有される。営業の勝ちパターンを分析し、成功事例は当然共有する。

 ・ハッピーコールと呼ばれる電話を上司が顧客にかけて、顧客との結びつきや部下の提案の満足度を聞き出す

 ・キーエンスは購買部ではなく、工場のそばに営業所を構えアプローチ、工場でデモを実践し、簡単なプログラミングなら営業が実施してソリューションを提示

 ・ニーズの裏のニーズを探り、社内で情報共有。営業効率を高めたい→担当者が情報共有したいという裏のニーズがあるのでは?→タブレットだけでなく情報共有ソフトもつける提案を実施

 ・ニーズの情報共有は社内で可視化され、効果があった情報共有者には報酬が出る。→情報共有のモチベーション向上

  

3.期待を超え続ける商品部隊

 ・レーザー方式の元素分析装置は他社も商品化しているが、キーエンスは小型で誰でも使えることにこだわり、さらに元素の特定にとどまらずに「ステンレス鋼」といった物質名まで推定する「AIサジェスト機能」を持つ。この機能は「知識がない人でも使えるようにして、もう一段階お客さんを楽にさせる」という付加価値をつけるために実装された

 ・キーエンスは粗利を8割にすることが目安。コストカットだけでなく、付加価値に重点を置いている

 ・「顧客が欲しいというものは作らない」という価値観を掲げており、「付加価値の創造こそ商品開発部隊の存在意義」という思いがある。

 ・技術もあるが、どう組み合わせたら売れるかというのがうまい。「蛍光顕微鏡」は他社が市場を支配していた→暗室で使うのが基本の商品→何故部屋全体を暗くしなければいけないのか?→試料とレンズのエリアだけ囲んだ→大躍進

 ・商品は企画担当が必死で「ニーズカード」を見て考える。市場のシェアの目標ではなく、「この商品のターゲットとなる顧客を30社ヒアリングしたところ、20%が購入しそうだった。全国では2000社がターゲットとなるので、利益はこのぐらいになる」と積み上げ方式で説明の必要あり。市場の開拓をすればよいという発想。

 ・とにかく即納にこだわる。場合によっては新幹線で取りに行くなどの対応をしてでも即納を守る。

 

4.「理詰め」を貫く社風と規律

 ・社員の評価は概ねアクションと成果が半々。「訪問件数」や「デモ件数」がアクション指標。

 ・後輩も「さん」づけでフラット。会議の席は入った順。

 ・情報の囲い込みは「ダサい」という雰囲気

  

5.仕組みの源流に「人」あり

 ・「飛び込みなし」、「接待無し」でコンサルティング営業で付加価値を出す方針は昔から

 ・社長や部長ではなく、「社責」、「部責」と呼ぶ。偉いのではなく、責任を持つ立場という事を明確にしている

 

6.海外と新規で次の成長へ

 ・アメリカ、中国でも即納や情報共有のノウハウを持ち込んで営業攻勢をかけている。2022年3月時点で約60%が海外の売上

 ・IT企業ではないが、「KIシリーズ」というキーエンスのデータ分析ノウハウが詰まったソフトの販売も開始している

 

7.「キーエンスイズム」の伝道師たち

 ・「一太郎」で有名なジャストシステム筆頭株主キーエンスがなっており、会社は営業利益3倍超と急成長中。技術主導であった同社をニーズの掘り起こしに注力するように変え、教育用のタブレットツールを開発しヒット

最後に

キーエンスのノウハウはどの業種でも役に立つ教科書のようなものだと思います。

是非御社でも導入を!