今回はエネルギーをめぐる旅を紹介します
複雑な現代社会をエネルギーの視点から解き明かしてくれます
作者
作者は慶應卒の古舘 恒介さんというJX石油開発の技術管理部長さんです。
この方もモノホンのエリートです。
クイズ番組に出ているただの高学歴とはモノが違います笑
内容の要約
第一部:エネルギーの視点から見た人類史
ここ読むだけでも十分です。
火→農耕→森林→産業革命→電気→肥料→食糧生産の工業化とエネルギーと解説してくださっております。
「頭の良い人は専門用語を使わずに物事を分かりやすく説明できる」と
よく言われますが、その通りの内容となっています
1.火(紀元前)
炭素循環
生物は炭素でつながっている
①植物は光合成によって大気中の二酸化炭素から炭素を切り離し自らの体内に取り込む
②生物が死滅すれば微生物によって分解され、身体を構成していた炭素は再び二酸化炭素となって大気中に解き放たれます。
③ ①に戻る
人間の脳が大きいのは火のおかげ
野生のチンパンジーは一日のうち6時間以上をかむことに費やしている
→食物の消化は膨大なエネルギーが必要だから。人間は火で加工することで処理できる
→だから胃腸が小さく、大きい脳でも生きていける
2.農耕(紀元前)
人間は農耕によって、太陽のエネルギーを独占し、身体に取り込むことができるようになった。
→500万人程度だった人口が農耕生活が始まってから1万年で6億人ほどになった。
3.森林(1600年代)
文明化した社会はエネルギー源である森林を湯水のごとく使うことで成り立っていた。
特に戦争のために必要な鉄を生成するためには木炭が必要で森林伐採に拍車をかけた。
4.産業革命(1700年代)
ここからが本番です。
①鉄の生成に石炭を活用する方法が発見されたことで、鉄の値段が大幅に値下がりし、産業革命の下地ができた。
②蒸気機関によって、石炭のエネルギーの形を変えることができるようになり、
自動車や工場の動力源として機械を活用することができるようになった。
5.電気の利用(1800年代)
電気によってエネルギーの移送が可能になった。一か所で大規模なエネルギーを電気に変えて、各家庭で使えるようにする現在の仕組みができた
6.肥料とエネルギー(1900年ころ)
農耕と肥料
人類の人口の増加に伴い、未開墾の肥沃な土地は減っており、既存の土地は農耕により痩せており、増加する人口を支えるには土地を肥えさせる肥料が間違いなく必要であった。
→アンデス山脈のアタカマ砂漠のカリーチと呼ばれる石には肥料となりうる硝酸塩が大量に含まれていた。
→ここに大量の企業が押しよせた。
しかし、近い将来硝酸塩が尽きるのは明白だった。
→研究者はこう述べた「肥料は窒素、リン、カリウムから構成されている。
肥料となる窒素は天然の資源からの供給では間に合わない。
空気から窒素を固定化する技術を作るしかない」
ハーバーボッシュ法
リンとカリウムは引き続き鉱物資源に頼るしかなかったが、窒素の空気からの取得の研究が本格化。
窒素は空気中で三本の手で結びついた窒素分子Nとして存在している。
これは二つの窒素原子Nが三重結合として結びついている最強の結合。
→引きはがすに大量のエネルギーが必要。
三本の手にHを結び付けてNH3すなわちアンモニアを作ればよい。
→約500°、250気圧という条件で生成する技術をハーバーとボッシュが発見。
「水と石炭と空気からパンを作る技術」と呼ばれた
→人口が爆増した
7.食料生産の工業化とエネルギー
トウモロコシは穀物の覇者。生産量がとびぬけている。
美味しいから?違う。
理由は最も効率よく太陽のエネルギーを食料に変換できるから
→すなわち、成長が早く収量も多いため。
第二部:知を追求する旅
ここから先はさらに深いエネルギーの話や現代のエネルギーの課題、解決策の提案などがされていきます。ここから先は実際に本書をご覧ください。
エネルギーを通して世界を見たい方は是非一読を!